愛知教育大学・旧英米文化選修の卒業生に向けて四半世紀に亘って発行されている『同窓会報』。その巻頭言を第1号から書き続けられた本学名誉教授・久田晴則先生の珠玉のエッセイをまとめた本書は，まさにそのタイトル通り，イギリスの文豪チャールズ・ディケンズに連れられて19世紀のロンドン市内の各所を経巡るような趣を保ちながら，ディケンズの山あり谷ありの人生を辿る本であり，またディケンズとロンドンに魅せられた久田先生ご自身の人生を語った自伝でもある。文学の文化研究を志した学究による滋味深い文章の妙をご堪能いただきたい。